フロム・フェアー・アイ・スタンド(私が立つところから)〜ノルウェー海軍ブラス・アンサンブル名演集　From Where I StandRoyal Norwegian Navy Band Brass Ensemble【吹奏楽 CD】

こいつは、すごい!! 　全世界的評価を勝ち得た、あのホルスト作品集「オラフ王を称えて」(CD-1201)を録音した、ノルウェー王国海軍バンドの金管と打楽器セクションがそっくり参加する、ハイ・クオリティー、ハイ・テンションのブラス・アンサンブル・アルバムです!! 　このバンドのブラス・アンサンブルは、今はいろいろな楽器編成の作品を演奏していますが、もともとはイギリスのブラスバンドの影響を受けた“テンピース”スタイルで始まったというルーツから、コンテンポラリーからクラシック、ポピュラーまでの幅広いレパートリーをもち、たいていの場合、打楽器が入り、指揮者が演奏をリードするスタイルをとっています。

　そして、このCDを指揮しているのは、2008年8月に3年契約でこのバンドの音楽監督に就任したインガル・ベルグビィ。

スウェーデンのヴェルムランド歌劇場やノルウェーのオスロ・フィル、ベルゲン・フィルなど、北欧のオーケストラでも活躍していますので、その名前は、北欧クラシックに詳しい人にはすでにおなじみかも知れませんね。

　さて、このCDで、まず最初に、圧倒的な存在感で迫ってくる作品は、ノルウェー芸術カウンシルの資金的バックアップにより、この録音のために委嘱されたタイトル曲『フロム・フェアー・アイ・スタンド(私が立つところから)』(世界初録音)でしょう!! 　独奏トロンボーンと金管&打楽器アンサンブルのために書かれたラルス=トーマス・ホルムのこの作品は、つぎのような編成で書かれています。

1 x 独奏トロンボーン 4 x トランペット 4 x ホルン 2 x　トロンボーン 1 x バス・トロンボーン 2 x チューバ 3 x パーカッション(ティンパニ含む) 1 x ピアノ 　トロンボーン独奏のマリウス・ヘスビィは、ノルウェー音楽アカデミーで修士号を得た実力者で、1999年に海軍バンドに参加。

早くから注目され、2009年から2011年の3年間、ノルウェーの全ミリタリー・バンドの独奏者という、ハイ・ステータスなポジションを得ています。

もちろん、コンテンポラリー・タッチのこの作品でも、思わず耳が奪われてしまうソロを聴かせてくれます!! (やりますねー!) 　次に、クラシック曲では、まず、ウォルトンの『ファンファーレ』の目の覚めるようなサッツの鋭さが聴きものです。

このファンファーレは、映画「ハムレット」で使われたいくつかのファンファーレを有名な指揮者マルコム・サージェントが編曲したものですが、その輝かしいサウンドには、ただ圧倒されるばかりです。

　 　ウォルトン・ファンは、聴き逃せませんよ! (コタロー店長も、もち、耳がダンボ!!) 　ワーグナーの楽劇『神々の黄昏』より“ ジークフリートの葬送行進曲”やバッハの『管弦楽組曲第1番』の序曲に聴かれる、変化に富んだ表現も注目です。

あるときは劇的に、あるときは優雅に。

このあたりは、さすがオーケストラ指揮者の音楽運びと言えます。

金管と打楽器だけのはずなのに…。

原曲を知っていれば知っているほどおもしろい。

そんな演奏がたっぷりと楽しめます。

　また、おなじみの『キャラバン』や『マンテカ』といったポップスでは、それまでとはサウンドをガラリと変え、ノリノリのエンターテイメントを楽しませてくれます。

(ホント楽しい〜♪

) 　聴けば聴くほど、1人ひとりが実力者ぞろいであることが伝わってくる、BP一押しの、聴きごたえ満点のブラス・アンサンブル・アルバム。

(これは必聴盤です) ・演奏団体：ノルウェー王国海軍バンド・ブラス・アンサンブル (Royal Norwegian Navy Band Brass Ensemble）・指揮者：インガル・ベルグビィ（Ingar Bergby）・発売元：スペシャリスト(Specialist)・発売年：2009年 1. ヤラルョード序曲 作品38／アイヴィン・グローヴェン (arr. スティー・ノルドハゲン)　【6：38】 Hjalarljod／Eivind Groven (arr. Stig Nordhagen) 2. フロム・フェアー・アイ・スタンド(私が立つところから)／ラルス=トーマス・ホルム　【14：07】 From Where I Stand／Lars-Thomas Holmトロンボーン(Trombone): マリウス・ヘスビィ　(Marius Hesby) 3. 葬送行進曲／エドヴァルド・グリーグ (arr. ジェフリー・エマースン)　【6：43】 Funeral March／Edvard Grieg (arr. Geoffrey Emerson) 4. ファンファーレ(映画「ハムレット」のスコアから)／ ウィリアム・ウォルトン (arr. マルコム・サージェント)　【1：03】 Fanfare／Sir William Walton (arr. Sir Malcolm Sargent) 5. 楽劇「神々の黄昏」より ジークフリートの葬送行進曲／ リヒャルト・ワーグナー (arr. ロバート・キング)　【6：46】 Funeral March from Die Gotterdammerung／Richard Wagner (arr. Robert King) 6. 管弦楽組曲第1番(BWV.1066)より 序曲／ ヨハン・セバスティアン・バッハ (arr. スヴェイン・H・ギスケ)　【10：02】 Overture from Orchestra Suite No.1 BWV.1066／Johan Sebantian Bach (arr. Svein H. Giske) 7. キッズ・アー・プリティー・ピープル／サド・ジョーンズ (arr. エリック・アイレルトセン)　【8：36】 Kids Are Pretty People／Thad Jones (arr. Erik Eilertsen) 8. キャラバン／ファン・ティゾール、デューク・エリントン、 アーヴィング・ミルズ (arr. リチャード・ビッシル)　【5：46】 Caravan／Juan Tizol, Duke Ellington, Irving Mills (arr. Richard Bissill) 9. マンテカ／ディジー・ガレスピー、チャノ・ポロ (arr. エリック・アイレルトセン)　【4：10】 Manteca／Dizzy Gillespie, Chano Poso (arr. Erik Eilertsen)★

ウォルトンの「ファンファーレ」に心トキメキ、バッハの「管弦楽組曲」にうっとり！聴けば聴くほど、1人ひとりが実力者ぞろいであることが伝わってくる聴きごたえ満点のブラス・アンサンブル集